column
デジ・ライフコラム
みなさん、こんにちは。湘南台校の小野です。
最近は多くの書類が電子化されていますが、まだ紙のものも多いですし、手書きのメモ等もあります。これらは結構かさばるので、電子化して保存したいという要求があると思います。以前ならこのような場合はスキャナーを使うことが普通でしたが、今ではスマホのカメラの性能が上がったのでスマホで写真を撮れば十分なことも多いですし、優秀なスキャン用のスマホのアプリも存在します。
ただし実際にやってみると、紙が丸まっていたり、しわになったりしていることが多く、そのような場合は上手く写真を撮ることができません。ガラス板や透明なプラ板で上から押さえて撮ることも考えられますが、今度は照明が反射したり、スマホや自分が写真に写り込んだりしてしまいます。この問題は夜に作業する場合に顕著になります。
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よくある失敗例
下の左側はしわになった取り扱い説明書の写真で、右側は透明のプラ板を使った場合の写真です。照明が写り込んでいることがわかります。できるだけ写り込まないように、写真を撮る場所を色々と変えてもうまくいかないことが多いです。
この問題を解決する方法として①反射の影響を軽減するアプリの使用、②低反射ガラス板やプラ板の使用の2つを紹介します。
解決方法①反射の影響を軽減するアプリの使用
まず①ですが、使用するアプリはGoogleのPhotoScanです。この記事を読んで、使って見たいと思いましたらリンク先をご覧下さい。
下の左側はPhotoScanを起動して撮った写真です。中央に塗りつぶし無の白丸が、その4隅に塗りつぶし有の白丸が見えています。次は真ん中の写真のようにスマホを水平に移動して、塗りつぶし無の白丸が塗りつぶし有の白丸に重なるようにします。スマホを動かすと塗りつぶし無の白丸は動きますが、塗りつぶし有の白丸は動きません。これを4回繰り返して得られたのが、右側の写真です(不要部分を取り除くトリミングも行われています)。まだ左側に明るい部分が少し残っていますが、照明の影響を小さくできていることがわかります。
解決方法②低反射ガラス板やプラ板の使用
次に②ですが低反射のプラ板を使用します。ガラス板は割れる心配があるので、プラ板にしています。ECモールで低反射アクリル板等のキーワードで探すと見つかります。低反射の理由は表面に微細な凹凸を形成して、入射した光が散乱されるようにしているためです。
下の左側は低反射のプラ板を使った場合の写真です。まだ左上の部分が明るいですが、照明の影響を小さくできていることがわかります。真ん中の写真は影響をさらに小さくするため、イーゼルを使って全体を傾けた配置を示しています。この配置で撮ったのが右側の写真で、問題無いレベルまで照明の影響を小さくできていると思います。右上が少し明るくなっているのは、傾けたことで別の照明が写り込むようになったためです。
いかがだったでしょうか。昼に自然光の下で撮ればこの問題は低減できますが、実際には時間の都合で作業は夜やることが多いと思います。その場合、この記事のような方法が役立ちます。多くの場合、照明の位置は変わらないと思いますので一度撮影に適した場所を探して、以降はその場所で撮るようにすれば作業時間が減らすことができます。紙の枚数が数枚であれば①の方法が、それ以上の場合は②の方法が適していると思います。皆様の参考になれば幸いです。