みなさん、こんにちは。湘南台校の小野です。

今回はOCRで写真の文字を読み取る方法をご紹介します。OCRとはOptical Character Recognitionの略で光学文字認識という意味です。これは画像や写真の中にある文字の部分を認識し、文字データに変える技術です。日本では郵便局の手書き郵便番号の読み取りなどで利用が始まりました。現在ではペーパーレス化の風潮に乗って、業務が効率化できるツールとして使われています。

OCRのメリット

少し前まではPCに接続したスキャナーと専用ソフトが必要で、前述のように会社の業務で使うイメージのものでした。しかしスマホの普及によって、最近では個人でも手軽に利用できるようになってきました。

紙に書いた文書の文字部分を文字データに変えることを考ます。人間が文書を見てキーボードで文字入力する場合とOCRを使う場合を比較すると、OCRは文字入力の作業が省略できるため、大幅に作業時間を短縮できます。また文字入力でのミスがなくなるため、紙の文書と比較して間違いを探す時間も減らすことができます。OCRで読み取った文字は、入力した文字と同じように文字データとしてコピー＆ペーストすることができ、キーワードを指定して検索をすることもできます。これがOCRのメリットです。

OCRの用途

このようなOCRの用途としては例えば以下のようなものが挙げられます。

・紙の文書の写真を撮り文字データ化して保管することで、保管スペースが節約できます。また検索ができるにようになるので、必要な情報が簡単に探せるようになります。
・手書きメモの写真を撮り文字データ化してアプリのメモ帳などに貼り付けることで、内容を修正して他の文書で再利用したり、メモ内での検索ができるようになります。
・買い物のレシートなどを文字データ化することで、表計算ソフトや家計簿アプリでの入力作業が楽になり、家計管理が簡単になります。
・名刺を文字データ化して表計算ソフトなどに入れておけば、電話番号やメールアドレスなどをすぐに探せるようになります。
・旅行のパンフレットなどを文字データ化して、自分が撮った写真などを追加すれば、デジタルの旅行日記を手軽に作成できます。これにより旅行の振り返りが簡単にできるようになります。

OCRを実行する

OCRアプリは多数ありますが、ここでは無料で簡単に使える方法として、PCでGoogleドライブを使う方法とスマホでLINEを使う方法を紹介します。文字を読み込む対象はコンビニのレシートとしました。前述の例では家計管理に使う場合に相当します。

Googleドライブを使う方法
1. スマホやカメラで写真を撮り、Googleドライブにアップロードします。
2. PCでGoogleドライブにアクセスします。
3. 対象とする写真の画像ファイルを右クリックします。
4. [アプリで開く]を選択して、Google ドキュメントを指定します。
5. Google ドキュメントが起動し、写真内の文字が文字データとして表示されます。

Googleドライブを使った方法は、現時点ではスマホには対応しておらず、PCでの使用に限定されていますが、表計算ソフトなどを使う場合には便利です。

LINEを使う方法
1. トーク画面を開く
2. カメラを起動
3. 文字認識を選択
4. 文字データ化されるので、コピーして他のアプリに貼り付け

すでに保存してある写真を選択することもできます。

なおOCRの文字認識は完全ではありません。例えばアルファベットの「O」と数字の「0」などは間違い易い文字ですし、手書きの文字認識は精度が落ちます。この例では白い紙に黒い文字だけが印字されているレシートを使っているため問題になりませんが、カラーの文字が使われている文書などではカラー写真では無く白黒写真を使った方が良い結果が得られます。また写真のコントラストは高い方が良いので、文字がかすれている場合はペンなどで上書きすることをお勧めします。

関連情報として、AndroidやiPhoneでは最初から手書きで文字を入力することが可能となっています。スマホの文字入力で困っている方は一度試してみてはいかがでしょうか。

まとめ

今やOCRは個人でも手軽に利用できる便利なツールです。紙の書類をデジタル化すると、文書の再利用、検索による効率化、保管スペースの節約など色々なメリットが生じます。様々な場面で活用できると思いますので、是非OCRを試してみて下さい。

いかがだったでしょうか。今回は快適なデジタルライフの一助になるかもしれないOCR（光学文字認識）を紹介しました。皆さんの参考になれば幸いです。